27 September, 2010

世界中のCEOとの会食

ご無沙汰しています、Dec '10のYMです。
早いもので9月も下旬、気づけばあと3ヶ月で卒業となりました。
目下の悩みは卒業旅行@コロンボに妻子ともども参加するか、そしてどちらのキャンパス(フランスvs.シンガポール)で卒業式に参加するか、です。
#勿論、真面目に勉強もしてます(笑



さて本題で、つい先日INSEAD主催の「世界中のCEOとの会食」に参加し、とても有意義な時間を過ごせたので、そのご報告です。

ご存知かもしれませんが、INSEADはMBAのみならず、企業の重役研修も大きな強みとしており、収入面ではMBA を凌ぐほど。
先日は、世界中の大~中企業のCEOを集めた「CEO研修」を実施していました。
そこで、「この経験豊富なCEOたちと意気軒昂なMBAの学生で会食したら、きっと何か面白いことがおこるんじゃない?」
という 考えから、INSEADのアジアキャンパスの一角にて会食が実施されました。
# ちなみに料理はキャンパス食堂運営のケータリング会社によるフレンチでしたが、仏系企業だけあり?なかなか侮れないお味でした。ごちそうさまでした。

参加者は、INSEADらしく非常に多様な顔ぶれで、たとえばCEOの国籍は以下のようでした。
・アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダ、ポルトガル、スロヴェニア、シンガポール、インド、ブラジル、カタール、エジプト、リビア、南アフリカ
そしてMBA学生の国籍も、日本、中国、香港、シンガポール、アメリカ、ドイツ、スイス、フランス、イタリア、インド、ニュージーランド、パキスタン、ペルー、と負けずに多彩。
議論は、時に国籍関係なく普遍的・あるいは国際的な話題に、そして時に出身・在住国に関するローカルな話題に、と幅広く移っていきました。
CEOの堂々とした懐の深さのある話しぶりに対し、MBA学生の勢いある口調という対比も面白かったように思います。

この会食からの私個人の気づき、学びですが、特に強く感じたのは以下の点でしょうか。
1. 今リスクを取らずしていつとるのか: これはキャリア設計に関する助言なのですが、ぐさっと来ました。あるCEO曰く、「君たちは今一番リスクが取りやすい時期にいる」とのこと。私はこの1月に第一子をもうけ、家族を養わなければ!という重圧から、若干リスク回避的になっていたように思います。そして漠然と、リスクを取るのは後回しでいいや、と思っていました。しかし、彼は言います。「今リスクがとれないのに、どうして3年後にリスクが取れるようになっているのか?」…確かに、3年後といえば、今の子が大きくなっているだけでなく、下の子が出来ているかも知れません。重圧は確実に増しているでしょう。この気づきは、重要な決断を漠然と後回しにしていた自分にとって一つの警鐘となりました。
2. CEOの個人としての魅力・包容力: 参加していたCEOは、例外なく、包容力があり、魅力的でした。どういうことかというと、時に生意気で、挑戦的で、思い上がりがちなMBA学生の発言に対しても、実に大人で、寛容で、それでいて示唆にとんだ回答を返してくれたんです。常にMBA 学生の声に真摯に耳を傾け、時には自身の考え方の欠陥を認め。。いやー、大きいなぁ、と思いました。話していると、若さ・生意気さを含めて自分の事を受容してもらえている感覚、出来る限り若者の助けになろうとする意思、そして自らも誰からでも学ぼうという謙虚な姿勢を感じました。CEOという立場抜きで、こういうオトナになりたいな、と素直に思えました。
3. CEOにとっての研修とは?: 面白かったのは、MBAとCEO研修、同じような授業スタイル・内容でありながら、参加者にとっての位置づけが違うんだな、という気づきです。単純化すると、MBA学生にとっての授業が今後マネジメントとして経験するであろう事柄の「受け皿作り」だとすると、CEO(あるいは重役)にとっての研修は、その受け皿上にたまった経験の棚卸し、整理、今後への活かし方の検討の場だといういうことです。あるCEO曰く、「経営とは常に走り続けることであり、その過程に立ち止まって振り返る余裕はない、そんな中、今回のような研修は過去を振り返り、今後の方針を考えるとても貴重な機会となる」とのこと。これまで、MBAは一度とればそれで終わり、ビジネススクールよサヨウナラ、と思っていた私ですが、こういった活かし方もあるんだな、と気付かされました。

最後に日本ネタですが、日本と商関係のあるCEO数人から「日本は大好きだし、その卓越した製造業を尊敬している」とコメントを頂きました。これを誇りに思うと共に、「日本人はあまりこういう場にこないと思っていたので、私に会って驚いた」という話も聞き、(正直言ってあまり得意ではないものの)こういう場にはやはり積極的に出て行くべきだし、出ていきたいな、とも思いました。

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通常のMBA プログラムでも、日頃からCEOの講演会や、授業での招待講演による講義など、
CEOレベルの方々と接する機会は豊富にありますが、その中でも今回のイベントは複数のCEOの方々と深く個人的な会話ができたという意味で、特別な印象が残りました。
そして、不遜にも、いつかはあちら側で参加するのも悪くないな、などと思いながら帰路につきました。