16JのGです。
Whartonへ交換留学に行ってきたので、その辺りについて。
尚、行った理由は、”東海岸の伝統的なトップスクールがどんな感じか体験したかった。幅広い経験、人脈がほしかった”という二点です。 総論、自分の決断を正当化したいというバイアスを差し引いても、行ってよかったと思っています。
まずは仕組みから(今後変わる可能性はあります) 。
時期はP4(Dクラスの場合P5も)に行きます。Whartonの他に、Kellogg、CEIBSに行くオプションがあります。P2の頃に募集があり、志望動機含むエッセイを提出し、成績やBidしたポイントを加味し、結果がわかります。行く人数は各校定員30に対し、ざっくりW:20、K:5、C:2といったイメージ。要は、希望すればほぼ全員いけます。
何故あまり人気がないかというと、以下のような理由が多いようです(その下はそれぞれについての個人的な見解)。
・そもそも短いINSEAD生活の20%を使うため、INSEAD生との貴重な交流の時間を減らすことになる。
→数が少ないため、同じく留学に行っているINSEAD生同士の結束はかなり深まります。また、当然ながら留学先の学生と仲良くなるチャンスがあります。
・P4という就活において重要な時期を米国で過ごすことになるので、On Campus recruitingイベントを逃したり、地理的に色々と不都合な点が出てきうる。
→対面に拘らなければ、Skype等での面接をどこも用意してくれます。また、例えばマッキンゼー、BCGといった会社はPhiladelphiaやNew Yorkオフィスでの面接をアレンジしてくれます。
・INSEADのP4に開催される面白い授業を受けられない。
→Whartonの授業も面白いものが多くあります。
・留学先では既にそれぞれにコミュニティが形成されているので、その輪に入っていくのも、溶け込むのも大変。
→自分次第です。積極的に溶け込もうとすれば、自然と輪は広がっていきます。
また、その他よく聞かれる点を以下にまとめておきます。
Wharton vs INSEAD? という問いへの私の結論としては、”全く違うので、自分の好み次第”です。ヤンキースとバルセロナはどちらが優れているか、という問いに意味はなく、何をもって”優れている”と思うか、という価値観があるのみです。
<学生のcompetitiveness>
WhartonもINSEADもどちらも優秀です。GMATのアベレージの違いについて言及される方がいらっしゃいますが、Native English Speakerであるアメリカ人が(“ほぼアメリカ人”も含めると)80%近いWhartonと80%近くがNon NativeであるINSEADを、英語のテストのスコアだけをもって判断することは少々unfairかと思います。GMATが日本語だったなら。。なんて思ったことある方は私だけではないはず。
<授業のquality>
身も蓋もない言い方ですが、どっちもいい教授の授業は面白いし、ダメな教授の授業はつまらないです。自分の興味によっても感じ方は違うでしょう。なので、”違い”に着目したいと思います。
Wharton
①Quantitative:数字をもって概念を理解させようという授業が多いです。
②講義形式 :教授と学生の間の会話がメイン。当たり前のことを発言するのは意味がないと考える学生が多いのか、学生の発言数はそれほど多くないです。
③狭く深く :トピックはほぼアメリカに特化されており、会計制度、税制、法律等細かい点まで掘り下げます。
INSEAD
①Qualitative :多様性という特徴を活用し、それぞれの学生のものの考え方を共有することで、視野を広げることを重視します
②ディスカッション形式:教授の問いについて、学生たちの間のディスカッションが多く、それぞれが思うところを我先にと発言します。教授の力量によっては、コントロールしきれなくなり、議論があらぬ方向に行ってしまうこともあります。
③広く浅く :幅広い地域のトピックを扱うためとてもGlobalですが、それゆえそれぞれの国・地域の細かい制度まではあまり踏み込めません。
<Facility>
システムインフラ等Whartonの圧勝でしょう。学部生も含めた学生数や卒業生からの寄付金が全然違うようです(少々の寄付金をチラつかせても合格確率は変わりません)。
<ゲストスピーカー>
質、量ともにWhartonの圧勝です。私がいた二ヶ月弱だけでも、前FRB議長バーナンキ氏、Black Stoneのシュワルツマン会長など錚々たる面子でした。が、スピーカーが豪華だと学びも多いかと言うと、必ずしもそうではないかもしれません。
<食事>
Whartonの方が高くつきます。INSEADの食堂(特にFonty)はコスパが高いです。ただ、行く前にWhartonのメシはマズいという話を相当聞いていたので、美味しいものもたくさんあって安心しました。何事も、Expectation Controlが大事です。
<Intensity>
Whartonは基本的に週休3日です。毎週金土日が休みです。たくさん旅行(勉強も)できます。INSEADは基本的に月から金までみっちり授業があります。なんなら週末もたまに授業があります。ゆっくり消化する時間がありません。たまに消化不良で腹痛に苦しみます。
<英語>
Whartonではスラスラ英語で説明できないとちょっと発言しづらい雰囲気があるかもしれません。周りのスピードも速いです。INSEADはNon Nativeが大半なので、しどろもどろでも(内容がしっかりしていれば)みんな気にしません。英語力を厳しい環境で鍛えたいならば、USスクールの方がよいでしょうし、Non Native達との方が気軽にスピーキングの練習ができてよい、との考え方もあるかもしれません。
<ブランド力>
全世界的に、Whartonの方が有名です。特にアメリカで就活するなら間違いなくWhartonの方がよいでしょう。アメリカで、”ああ、インシードってスペインだっけ?たしかFTでTop
10に入ったりしてがんばってるんだよね、グッジョブ!ところでキミ、2年生?” なんて言われて枕を濡らしたこともままあります。
(注:インシアードと発音します。フランス発祥です。FTで運良く一位になりました。一年制のプログラムです)