24 December, 2017

これまでの所感~P1、P2を振り返って~

こんにちは。18JフォンティースターターのRです。気づけばあっという間にP2も終わってしまいました。P1、P2は全て必修科目により、65-75名前後のクラスというものが存在します。そしてP2が終わった今、今後はキャンパスエクスチェンジや交換留学により、皆世界中に散らばるようになるので、来年7月に開かれるフォンティでの卒業式に参加しない人も中にはいることを考えると、これにてクラスの卒業・解散を意味します。

Rのクラスは、フォンティの中でも特に仲がよいことで有名で(と勝手に我々が考えていますが笑)、4か月間のうち、クラスのsocial repなるアクティビティ責任者がクラスディナーや運動会、数々のパーティー、シャトーお泊り旅行(私も企画担当でした)などなど、いろいろなアクティビティを企画してくれたおかげで、クラスの連帯が異常に強く、今は皆、クラスロスに浸っています笑。

さて、P2も終わったことで、P2の授業について書きたいところですが、それは他のcolleagueに任せるとし、これまでの所感をYとは被らない範囲で書きたいと思います。RはINSEADとジョンズホプキンス大学SAIS(高等国際関係大学院)のダブルディグリーをしていることから、アメリカの大学院との違いも少し述べたいと思います。

【授業】
授業は、MBAとだけあって、全般的に非常に実務的・実践的です。Rは昨年はポリシースクールのSAISにおり、個人でテーマを決めてペーパーを書いたりなど、アカデミックな勉強スタイルが基本でしたので、MBAとの違いをより鮮明に感じています。授業はケースと講義が比較的バランスよく組み合わさっていますが(P1は講義より、P2はケースよりですが)、いずれの場合も生徒の活発な議論が授業の中心であり、教授は議論をサポートする立場という感じです。また、授業で扱うケースも、北米よりではありますが(これまでに書かれたケースの蓄積やデータのavailabilityがどうしても北米よりになってしまうことにより)、学生のバックグランドと今後の応用の可能性を考えて、なるべく世界各地のケースを取り入れようとしていることは感じ取れます。また、至るところで日本の会社が例として出されることもあり、その良し悪しはさておき、日本のモデルを改めて学ぶことの新鮮さを日々感じています(ポリシースクールで日本が取り上げられることはめったにないので、尚更そう感じます)。2年プログラムに比べると、どうしてもやや駆け足になっている感は否めないですが、それでもコアに関しては、押さえるべきところはしっかり全て押さえているようで、個人的にはサクサク進んで逆に効率がよいと考えています。

【キャリア関連】
社費・公費派遣であれば心配する必要はありませんが、Rを含め、自費で来ている人にとっては、卒業後の職業はMBAでの一大心配事項です。もし日本に帰国して転職をするつもりであれば、基本的に自身で探す必要がある分、スケジュール上の融通は利くと思うので、学校のOCR(オン・キャンパス・リクルーティング)のサイクルに則る必要はありません。これまでの日本人を見ていますと、日本で転職をするつもりなら、P4-P5はシンガポールキャンパスに在籍するパターンが多いようです(時差、帰国のしやすさの関係上)。逆に海外で転職をしたい場合、ヨーロッパで職探しをしたければ、同時期はフォンティに、アジアで職探しをしたいなら、シンギ―にいるように計画することが基本的です。また、この場合は、学校のOCRを中心に応募していくことになりますが、これまでのキャリアイベントに参加した経験上、INSEADが特に強みを持っていると思われる業種はコンサル、IT、消費財関連だと思います。特にコンサルに関しては、少なくとも戦略コンサルのトップ3はMBAの新卒生のうち、世界中でINSEADから最も採っているようで、説明会では、どのファームも世界中のオフィスから(フォンティのみで)スタッフが40人程度飛んでくる気合いの入れようです。逆に金融関連を考える場合、特にJの生徒はインターンの機会が学校側からはスケジュール上、用意されていないため、どうしてもその業界に入りたければ、自分でインターンに応募する必要があります。投資銀行やPE/VCのトレックやOCRもありますが、1年プログラムである都合上、2年や1年半プログラムの学校に比べると、どうしても金融関連がやや弱いという印象は否めません。また、INSEADは欧州、アジア、中東にキャンパスがあることから、これらの地域での転職を考えている場合は、大いに強みがありますが、逆に北米はどうしてもアメリカのMBAスクールと比べるとネットワークが弱いです。この点については、現在進行形で少しずつ改善に向かっており、例えばこのP2でUSRC(US Recruiting Club)という名の学生クラブがフォンティ側で正式に成立し、今後は米国のアラムナイネットワークを利用した、より有効なジョブ・ハンティングを目指したり、学校側としても米国での拠点形成に動いているようです。また、WhartonやKelloggとの交換留学制度もあるので、それらを利用して自分なりにネットワークを築くことも可能です。ただ、昨年アメリカでつくづく感じたことですが、米国での就職は、米国市民もしくはグリーンカードホルダーでない限り、ビザ問題が他国以上に厳しいので、どうしてもアメリカで仕事を見つけたい場合は、素直にアメリカのビジネススクールを受けるのが妥当かと思います。

【学校のリソース】
学校のリソースとして、他校にはない大きな強みが3つのキャンパスかと思います。RはP1-P2はフォンティ、P3はアブダビ、P4はシンギ―というスケジュール(P5は未定)にて全キャンパスで学ぶ予定ですが、特にアブダビキャンパスに興味があり、そこに行くためにDではなくJを選んだほどです(同キャンパスは時期的にJしか今のところ行けないのでご注意)。それぞれのキャンパスでは、その地域に関連する事象を授業で取り扱ったり、様々なイベントを通してネットワーキングができるので、正しくグローバルな舞台で今後のキャリアパスを考えることが可能です。キャリア関連のリソースとしては、個人個人にあてがわれたキャリアコーチがおり、より個人的な事情に合わせたアドバイスを求めることができます。ただ、Rにとっては、このキャリアコーチよりもおすすめするのがEIR(Entrepreneur In Residence) であり、毎週代わる代わる学校に訪れる、特定の道のエキスパートたちと一対一でトークをすることができます。このような人たちはキャリアコーチよりも多くの場合、より深い示唆を与えてくれるので(中にはチャールズ皇太子の家庭教師を以前担当していたという人も)、Rはアントレ相談よりも専らキャリア相談及び人生相談で利用しています笑。学校でのセミナーやワークショップはフォンティについては地理的な要因もあるかもしれませんが、正直、アメリカの大学ほど活発には行われていない印象で、キャリア関連のクラブ活動にて、自分たちで企画して外部から人を招いたり、トレックを実施して、企業訪問をしたりという具合です。ただ、アラムナイのリスポンスは非常によく、アラムナイの助けを借りて何かを実現するのはそんなに困難ではない感じです。最後に忘れてはいけない最大のリソースは、何といっても周りにいる同期の仲間で、どんなに協調してもしきれないくらいに、皆、多種多様です。学校のバリューである「グローバル」と「ダイバーシティ」をそれぞれが体現しており、自分が求める答えを案外、隣に座っている同期が知っていることがよくあります。Rのクラスでは、Reciprocity Ringなるイベントを実施し、それぞれが求めることをクラスの人々に知らせることで、それに対する何かしらのリソースを持っている人が直接対応するというようなことをしました。アメリカに行ってからネットワークの重要性を認識した次第ですが、少なくとも自分にとってのMBAの最大のバリューはネットワークであることをつくづく実感したイベントでした。

まだまだ書きたいことが山ほどありますが、とりあえず次回に回すこととします。皆さまよいお年を!