19DのMackです。
19Dは夏休みを終え、いよいよMBA生活も終盤戦に入りました。今学期から、私を含めたFonty Starter 5人がシンガポールキャンパスに移動し、19D日本人は全員シンガポールに集結しました。ヨーロッパ生活とは180度違うアジア生活を満喫しています。
今回は、INSEADの特徴の一つであるCampus exchangeの仕組みについて、また受験の際に大いに迷うであろう、「どちらのキャンパスからスタートするか」問題について書きたいと思います。
【Campus exchangeの仕組み】
INSEADの学生は、フォンテーヌブロー、シンガポールのどちらかをホームキャンパスとし、5学期のうち最初の2学期(1月入学であれば4月まで)をホームキャンパスで過ごします。その後、学期ごとにキャンパスの移動が可能となります。キャンパス移動は義務ではなく、1年間ホームキャンパスから動かない学生も多くいます(通称Singy
Lifer/Fonty Lifer)。
やはり国際性が売りなだけあり、全体で7割くらいの生徒がキャンパス移動を経験します。ただし、ホームキャンパスから別のキャンパスに移動するには、その権利を入札で勝ち取る必要があります(これをBidding systemと呼びます)。特に、夏(P3)のFonty、冬(P5)のSingyはキャンパス収容人数を上回る数の移動希望者が殺到するため、それなりの入札額でないとキャンパス移動することができません。
【Bidding systemとは?】
INSEADでは入学と同時に生徒一人につき200ポイントが付与されます。このポイントを使って、キャンパス移動および選択科目の入札が行われます。
【Campus exchangeはどれだけ難しいのか?】
前述の通り、Campus exchangeは競争入札制です。19Dの入札結果は下記の通りです。
P3
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P4
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P5
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Singy to Fonty
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197
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13
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0
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Fonty to Singy
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0
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0
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150
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*lowest bid
例年通り、P3 Fontyを巡る戦いは熾烈を極めました。Singy starterがP3でFontyに来るためには、持ち点のほぼすべてに相当する197ポイントを入札が必要だったということです。Campus exchangeに197ポイント使った場合、選択科目の入札に使えるのは3ポイントしかありません。3ポイントでは、人気の授業は取れないリスクが非常に高いです。ちなみにSingy starterの日本人3人は、196ポイントの入札で敢え無く敗れました。
P3でなく、P4にFonty行くこと選択肢もありますが、就職活動が問題になります。1月入学生の場合、就活のタイミングはP4であり、この時に希望の地域、つまり欧州希望ならFonty、アジア希望ならSingyにいることが重要とされています。従って、日本人などアジアでの就職を希望する人にとって、P4でのFonty移動は現実的ではありません。P5で行くのもありですが、大多数の流れに逆行し、最終学期に閑散としたFontyに行くのは寂しいです。
対して、P5 Singyを巡る戦いは、思ったよりもマイルドでした。入札当時、19Dの卒業式がSingyのみとされていた(後に例年通り両キャンパスでの開催に変更された)影響もあり、P5 Singy希望者が殺到するかに見られていました。私自身も、「今年のP5 Singyは大変だ」とか「あいつは200ポイント全部P5 Singyに使うらしい」とかの怪情報に踊らされ、191ポイントという超overbidをしてしまいました。ほとんどの人が170ポイント前後で入札したと考えられますが、その場合手元に30ポイントほど残ることになり、選択科目の入札には十分余力があると言えます。
要するに、Singy starterが(P3に)Fontyにいくのは超難しく、Fonty starterが(P5に)Singyに行くのは比較的簡単。ということです。
【どちらのキャンパスからスタートすべきか】
1月入学の場合、個人的にはFontyスタートをお勧めします。とにかく大多数の人が希望するP3 Fonty、P5 Singyの権利を獲得しやすいことが理由です。
私を含め、日本人Fonty starterは全員、P1-P3 Fonty、P4-P5 Singyを選択しました。とにかく過ごしやすく旅行にうってつけの欧州の夏を堪能し、秋から冬にかけては暖かいシンガポールで過ごす、という両キャンパスのいいところどりができたと思います。特に夏の欧州は最高の一言に尽きます。風光明媚な夏のヨーロッパを満喫できたことは、MBA生活の一つのハイライトです。
なお、Fonty starterとSingy starterでは、友達の輪の作り方が異なるのもポイントです。Fontyは田舎街で娯楽がないので、多くの人は遅くまでキャンパスに残り、夜もホームパーティや街のビストロでしっぽりやるのが一般的です。対して、シンガポールではシティライフを満喫したい生徒が多いため、授業が終わると各々街に繰り出しプールバーやナイトラウンジなどで飲む、ということが多いようです。個人の好みですが、私は田舎でcommunity感が強いキャンパスライフを送るほうが好きだったので、Fonty startでよかったと思っています。