02 June, 2019

INSEAD就職活動事情2019年 - 全般

Introduction
19JFrederikです。キャリアチェンジをMBAの目標の1つに位置付けている方も多くいらっしゃると思いますので、今回はINSEADの最近の就活動向とともに、INSEADならではの就職事情についてご紹介します。

要点として、下記の4つINSEADの就職活動の特徴として挙げられると思います。
- 入学時期によって就職活動スケジュール・インターンの可否が決まる
- コンサルにやたら強い(日本人のコンサル就職状況については、別途ご紹介します)


- 就職先のロケーションは非常にグローバル
- 主体性を持って早期からキャリア・就職先を意識することが求められる


Recruiting Overview
1) Recruiting Schedule for Japanese
INSEADには9月入学のJ Class、1月入学のD Classがあり、各Classのプログラムスケジュールに応じて就職活動のスケジュール・インターンの参加可否などが決まります。
1年制プログラムのINSEAD MBAではインターンはできないと思われている方もいるかもしれませんが、D Classではしっかりインターンできます。

2) Employment Report (INSEAD Employment Statistics 2018 p.7, 11)*
* こちらのINSEAD WebsiteからDLできます

一番の特徴は、卒業直後には生徒の半数以上が経営コンサルタントとして働くことでしょう。
USスクールと(おそらく他のEUスクールとも)違って、生徒の半分以上が勤務する国を変えることも、INSEADならではだと思います。日本人でも日本外就職をする方はちらほらいる状況です。
 
3) Resources
就職活動にあたってはいくつかのリソースがあり、個人の状況に応じて使い分けをします。
- キャリアディベロップメントセンター
求人検索・Networkingに関しては、INSEADのキャリアセンターのポータルサイトで、求人やネットワーキングイベントの検索・応募ができます。年間通して様々な企業がプレゼンテーションやコーヒーチャットのためにキャンパスを訪れます。
書類添削インタビュー対策に関しては、INSEADからキャリアコーチがアサインされ、回数無制限でカウンセリングなどを受けることができます。キャリアコーチには当たりはずれもあるようですが、自分の場合はカバーレターの添削からインタビュー練習まで非常にお世話になりました。

- プロフェッショナルクラブ・キャリアトレック
特定のインダストリーやロケーションにフォーカスしたクラブや、学校または生徒が主体となって運営するトレックが多数あり、ネットワーキングや情報収集に重宝します。

- SNS
LinkedInを主に、SNSを通じて直接リクルーター・ヘッドハンターと連絡を取り合うことも多々あります。

- 友達
同級生が興味ある業界・企業で働いているケースも多く、声をかけるとみんな気軽にアドバイスをくれます。

- 転職エージェント
日本の事業会社をターゲットにする場合などは、日本の転職エージェントを用いる人もいます。

4) Major Industries
- コンサルティング
卒業生の3割程度がMBBで勤務することに象徴されるように、コンサルは非常に人気がある業界です。
理由は、①INSEADが各ファームと強い関係性を持っていること(オンキャンパスで一括してインタビューが実施される、ジムや会議室に各ファームの名前がついている、etc.)、②生徒母体がグローバルなので世界各国のオフィスで分散して採用されること、③世界各オフィスから派遣されてきたコンサルタントから手厚いインタビュー対策支援を得られること、(④「みんな受けるなら自分も受けてみよかな、、、」というピアプレッシャー)だと思います。

- ファイナンス
割合としては大きな業界ではありませんが、PE/VCなどに就職する層も一定数います。
なお、IBDなどインターンが必要となるような職を希望する場合には、入学時期を考慮する必要があります。

- 事業会社
テックやスタートアップの割合が多い印象です。
MBA向けリーダーシッププログラムなどがある企業以外は、個別対応で進めていくことが主のようです。

- アントレプレナーシップ
卒業直後の絶対数としては多くはありませんが、入学前に起業を経験している人などを含めた起業家コミュニティが存在しており、アントレプレナーシップも1つの選択肢として認識されています。
また、INSEAD卒業生の半分程度?はキャリアのどこかでアントレプレナーシップに関わると言われています。

5) Internship
- 概要
1月入学のD Classのみが対象で、選考方法は基本的にはフルタイムと似た内容・流れです。

- 実績  (INSEAD Employment Statistics 2018 p.31)
コンサルティング(22%)がフルタイム同様に最も人気ですが、それ以外の職種はPE/VC(12%)やE-commmerce/Internet(11%)などと多岐にわたっています。
インターン先のロケーション(EU 48%, APAC 34%, Africa/Middle East 7.5%など)もINSEADらしく多種多様です。

- 日本人の例
少し前の記事ですが、こちらをご参考ください。


Tips
- スケジューリング
希望する業界・職種に合わせて、主体的に動くことが大切です。
多くの企業はUS2年制MBAプログラムのスケジュールを念頭においていますし、特に日本での就職やスタートアップをターゲットにしている場合は、学校に合わせる必要なく、臨機応変に能動的に就職活動をするべきです。

- 早めの準備
INSEADは殺人的に忙しく、キャリアについてじっくりと時間をかけて考える余裕はあまりありません。
入学後間もなく就職活動が授業と並行して始まるので、早い段階(むしろ留学前)からキャリアの方向性を考えることが大事だと思います。

- キャンパスの場所
時差やオンキャンパスリクルーティングに来る企業のロケーションなどの関係で、就職活動を行うピリオドは、アジアターゲットの場合はシンガポールキャンパス、欧米ターゲットの場合はフランスキャンパスを選択することが主流です。

- ボストンキャリアフォーラム


興味のある特定の企業がある場合を除き、日本人の多くは参加しません。
参加しなくても特段不利にはならないと個人的には感じています。


INSEADで得られるキャリア関連のリソースやブランドは(卒業後も含めて)就職活動時に強さを発揮します。
キャリアディベロプメントにMBAの力点がある方にとっても、INSEAD MBAは非常におススメできるプログラムなのではないかと思います!