18Jのまっきーです。今回はジャパントリップの総括として感じたことを簡単に書ければと思います。
①インバウンド観光地としての日本の高いポテンシャル
INSEADに来て日本の食や文化に対する関心の強さを感じる機会がとても多かったのですが、今回実際にはじめて日本に来る人たちを案内してみて、コンテンツの多さを実感しました。京都では寺社や茶道・着物・舞などの文化、有馬では温泉、飯田市では日常生活、東京では浅草や築地、サブカルチャーやVR(バーチャルリアリティ)のマリオカートを楽しんだりと、伝統から最先端技術に至るまで楽しめる日本に驚いていたようでした。
②一方でインバウンド客の立場に立った工夫は少ない
まずジャパントリップを企画するとどの学校でも大変なのがベジタリアンの学生の食事の用意ではないでしょうか。INSEADの学生も2割程度はベジタリアンの学生だと思いますが、日本はまだまだベジタリアン対応が少ないので、ビーガンやハラルの対応なども含めてぜひもっと柔軟に対応できるように拡大してほしいと思います。
また食事の量についても旅館やコース料理などでは多すぎると感じることが多かったように思います。これは僕も若干意外だったのですが、やはり海外で普段と異なる食事をするということもあってか、普段より小食になる人も多いように感じたので、より少量で様々な料理を楽しめるような工夫があると良いのではないかと思いました。
あとは飲食店の予約でしょうか。電話でしか予約できないお店が多いのは不便。インターネットで英語だけで予約ができる店が増えると良いと思います。人気店であればあるほど日本人だけでも店が埋まってしまう中で海外からの客まで対応しきれないというところはあると思いますが、長期的な投資と思って受け入れる店が増えてほしいものです。
③地域観光で更なるファンをつかむ
今回のジャパントリップの肝はなんといっても飯田市で農家民宿をしたことでした。「INSAEDの仲間たちに本当の日本を知ってもらいたい」という気持ちで企画した農家民宿。結果としては、課題も感じたものの、大きな可能性を確信できました。
日本の地域に「家族」を作る体験。旅が終わって1か月が経過した今でも多くの参加者がホストファミリーの名前を憶えているということには感動します。より多くの人にこのような体験が届けられるよう、多くの地域でインバウンド観光客に対応するための基盤が整うことに期待したいですし、個人としてもその手伝いをしていきたいと思っています。
飯田市の農家民宿について、今回参加した学生40名から得られたフィードバックからは、①文化の消費(例として伝統芸能鑑賞や食体験)に留まらず、実際に自ら体験し、地元の作り手と交流するコンテンツへの需要が高いこと、②こうした交流や即時の情報発信をさらに促すためにWiFiや翻訳アプリ等の導入・普及が戦略的に急務であること、③インバウンド観光客増加に際して、受入れ農家間でベストプラクティスを共有し、体験の質の高さを維持していく必要性などが提言されました。課題はありつつも、いずれも前向きな回答が多く、農閑期であってもインバウンド観光の軸として人を引きつける魅力があると実感させる内容でした。
今回のジャパントリップは私のINSEAD生活の中でも最も楽しい体験となりました(卒業までの間にこれを超える体験ができれば嬉しいですが)。普段リーダーシップを取る経験が少なかったため、なおさら多くの学生を取りまとめ、自国の魅力を伝えていく活動というのは本当に良い経験でした。今後のINSEAD日本人学生にもぜひ経験してもらればと思っています。