①
Brand Management (Professor: Pierre Chandon)
マーケティングの応用授業で、特にブランディングについて、ケースディスカッションをメインに学びます。この授業で扱うケースはほぼ全てが担当の教授により執筆されており、ケースの背景などが深くわかることが特徴です。
MBAのブランディング、Uniliver、Renova(ポルトガルの紙会社)、Steinway(ピアノ)のケース、バイアグラのケースなど多岐にわたるケースを扱い、消費者の選好が変化する中ブランドを保つのが良いのか柔軟に変更していくべきなのか、B
to Bの業界においてブランドは意味を持つのか、ブランドの水平展開/垂直展開はどのような時に有効なのか、シナジーはありうるのか、など様々な点について議論をしていきます。
評価は授業での発言の他、個人での事前提出課題、またグループでのCase
Write-up(レポート)によって行われます。
②
Social Entrepreneurship (Professor: Stephen J.
Mezias)
その名の通り、ソーシャルアントレプレナーシップについて学ぶ授業です。実践形式が強く、初回の授業以外はソーシャルビジネス業界のスピーカーによる講演+ディスカッションという形式です。また、参加者はマイプロジェクトを設定して、教授と2回の個別打ち合わせをした後、自分のプロジェクトに関するレポートを提出します。私の場合は、「インバウンド観光客を対象にした日本の農家民泊プラットフォームの構築」という内容で、ジャパントリップの際に長野県飯田市への農家民泊をアレンジした経験を活かして書きました。
③
Entrepreneurship in Action (Professor: Steve
Haslett, Balagopal Vissa)
主に週末を使ったインテンシブな授業。シリーズAの資金調達を終えたスタートアップの経営陣として、マーケットが成長していく中、他社とどのように差別化して成長していくのかをシミュレーション形式で体験する授業です。4-5人のグループに分かれ、グループ対抗の形で進めていきます。私はCFOとして資金繰りや調達戦略を担当していたのですが、成長していく会社の中で資金繰りをモニターすることの重要性、キャッシュがないとR&Dもマーケティングもできないといった負のスパイラルに陥ってしまうことなどを身を持って学びました。しっかり準備をして臨んだ授業であり、期間中もエンゲージメントをしっかり持ってやっていたため、学ぶことの多かった授業だったと思います。
④
Corporate Restructuring (Professor: Pekka
Hietala, Peter Nathanial)
主にアメリカを中心とした企業再生の事例について学びます。最初にアメリカの倒産法制や再生計画、DES(Debt
Equity Swap)、ヘアカット(債権放棄)などの基本について学んだあと、ケースに基づいた議論を行いました。すべてのケースについて債権者側の銀行団として交渉に携わった教授が来てくれたため、企業再生の現実がよくわかる大変面白い授業でした。
⑤
Management Decision Making (Professor: Emre
Soyer)
Gut feeling, sunk cost, ethical dilemma,
confirmation bias, overconfidenceなど、意思決定の際に陥りやすい、わなについてトピック毎に議論します。毎回の授業後には、ジャーナルという形で、その回の授業で印象に残ったこと、今までの自分の経験の中で関連のあること、などを書く必要があるため、身近な例に引き付けて考えることが求められます。毎回参考文献や記事なども提示されるため、自分が興味を持った分野については深く掘り下げることが可能となっています。授業の形式はディスカッションがメインで、最後にはグループプロジェクトの発表が求められます。私たちのグループは「空腹が自信過剰(overconfidence)にもたらす影響」というテーマでアンケートを行い、その結果を発表しました。
⑥
Strategic Cost Management & Control (Professor:
Deigan Morris)
いわゆる管理会計についてケーススタディの形で学ぶ授業です。意思決定に関連して変化するコストであるRelevant
Costの考え方、Activity Based Costing(ABC)などについて学びます。銀行のABCを行うケースなどもあり、銀行出身者としては興味深かったのですが、総じて授業内容はかなり基本的なものだったため、物足りない印象でした。